弱者ベースから強者ベースへ


官製ワーキングプア―自治体の非正規雇用と民間委託官製ワーキングプア―自治体の非正規雇用と民間委託
(2008/06)
布施 哲也

商品詳細を見る
『官製ワーキングプア』という本を読んだ。この本を読んでみると弱者ベースから強者ベースへという日本の流れを手に取るように感じることができる。地方公務員の4割は、非正規職員(臨時という言い方をする)であるらしい。内田樹氏が書いていた文章をここに載せる。

医療・教育・行政・司法に対する「改革」の動きがそれです。これらの制度は「国民の生身の生活を守る」ためのものです。怪我をしたり、病気をしたり、老いたり、幼かったり、無知であったり、自分の力では自分を守ることができないほど貧しかったり、非力であったりする人をデフォルトとして、そのような人たちが自尊感情を持ち、文化的で快適な生活を営めるように気づかうための制度です。ですから、これらの制度は「弱者ベース」で設計されています。当然、それで「儲かる」ということは本質的にありえません。基本「持ち出し」です。効率的であることもないし、生産性も高くない。  
でも、この20年ほどの「構造改革・規制緩和」の流れというのは、こういう国民国家が「弱者」のために担保してきた諸制度を「無駄づかい」で非効率的だと誹るものでした。できるだけ民営化して、それで金が儲かるシステムに設計し直せという要求がなされました。その要求に応えられない制度は「市場のニーズ」がないのであるから、淘汰されるべきだ、と。  
社会制度を「弱者ベース」から「強者ベース」に書き替える動きに多くの国民が喜々として同意署名したのです。



弱者ベースとして設計されていた教育、医療、福祉の領域にも市場原理が持ち込まれ、豊かな人間が総取りするものに変容したと言えるだろう。官製ワーキングプアもその一面としてあらわれたものなのである。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

はし

Author:はし
さいたま在住の22歳、男です。
本の感想や気になる社会テーマについて、書きます。
気軽にコメントしてください(^^)
写真は、江口寿史の作品です。こういうコにあこがれちゃいます笑

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2プロフ
こびとさんの時計
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR