ブラック企業 今野春樹

ブラック

同じ著者の「ブラック企業に負けない」(旬報社)を就職活動中に読んだことがあり、大変勉強になったので、本書を手に取りました。
本書のほうが、ブラック企業について体系的にまとめられている分、中身も分厚いです。その分、なんの前提知識もない人には少し難しいような気もしますが、著者の筆力はさすがで私たち一般の人にも「なんとかわかってほしい」という気持ちが伝わってきます。

本書を読み、私が衝撃を受けた箇所を記しておきます。
『労働基準法では、1日8時間・週40時間を労働時間の上限とするように定められている。ところが、労働基準法36条に基づく36(サブロク)協定を労使間でかわすと、この制限を取り払うことができる。一応、36協定で延長してもよい労働時間にも上限が設けられている。しかし、この上限時間は法律上明記された義務ではない。(95頁)』

つまり、原則的には青天井でいくらでも労働者を働かせることができるのです。それが日本の法律なのです。それを示す記述が次頁に記載されている。

『厚生労働省の定める「過労死ライン」によると月に80時間以上の残業をしていると生理的に必要な睡眠時間を確保することができないとされる。しかしこのラインをオーバーする働かせ方をしても、違法にはならないのが日本の法律なのだ。東京新聞が行った調査では、東証1部上場の売り上げ上位100社のうち、約7割が過労死ラインを超える36協定を提出していた。(96頁)』

つまり、日本の大企業のほとんどで、過労死ラインを超える働かせ方をしている可能性が高い、ということです。大企業は、その見返りとして終身雇用や年功序列賃金があるわけだが、ブラック企業にはそれがない。まさに、絞れるだけ絞ってあとはポイ、というのがブラックの態度だといえるだろう。

この本は、ブラック企業に留まらず、日本の働き方、労働のありかたそのものに警鐘を鳴らす。著者は、一部の経営者や政治家など、既得権益をむさぼる人たちから相当な圧力を受けていることだろう。それに屈せず頑張ってほしい。若者の一人として私も応援しています。
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写真は、江口寿史の作品です。こういうコにあこがれちゃいます笑

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