(読書記録)日本の風俗嬢


日本の風俗嬢 (新潮新書 581)日本の風俗嬢 (新潮新書 581)
(2014/08/09)
中村淳彦

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中村敦彦著、日本の風俗嬢を読む。

本書のテーマは、『貧困』であると感じる。筆者の言葉を借りれば、『風俗は社会を映す鏡である』
日本の相対的貧困(可処分所得が中央値の半分に満ちていない割合)は、増加しており、風俗に走る女性を増やしている。地方出身の大学生、ワーキングプア、シングルマザー、などが多い。筆者はとりわけ、介護職に注目する。筆者は、ルポライターのほかに介護センターを経営していることもあり、バランスの取れた論考となっている。介護職は、2000年以降、増加しておるが、低収入の代表格である。

一方、かつては万人のセーフティーネットととして機能していた風俗も、近年、”進学校化”が進んでおり、もはやだれもができる職業ではなくなってきているという。
簡単にいうと、昔はその気さえあればでき、そこそこの金がもらえるのが風俗嬢であった。けれど、今は違う。
しかも本書を読むと、地方のピンサロなどでは、一般の事務と変わらない収入しかもらえていないことが分かる。

風俗=セーフティーネットではないのだ。

私が興味深く感じたのは、風俗に対するみんなの意識が変わり、明るくライトなものに変化したことで、風俗嬢の増加をもたらし、結果的に競争過多になり、セーフティネットとして機能しなくなってしまったことである。
これは万事に通じる考え方ではないかと思う。例えば、放射能汚染員やトイレ掃除。あれは、みんながやりたくないと認知されているからこそ、その代償として金がもらえる仕組みになっている。貧困を防ぐ。

つまり、差別は必要悪かもしれない、という考え方にも結び付けることができると思う。
全部がそうだとは絶対言えない。

でも、職業に貴賤がなかったら(という意識を皆が持ってしまったら)、貧困は拡大するのだ、きっと。(これはつまり共産主義の考え方ですね)

まあ、世間からあまりに差別を受けた場合、人としての尊厳をあまりに侵されれば、生きることすらできなくなってしまうとおもうので、金銭の問題よりはるかの重要になってくが。

『風俗が進学校化している』とは的を得た表現である。わたしは、芸人のたけしが前に言っていた言葉を思い出した。
「要するに、ふつうが許されなくなってきてるんだおな。普通に働いて、メシ食って、寝て、っていう。なんか、生きがいとか、夢とか、そういうのも足らないと駄目だぜみたいな幻想に駆られてて。そういうの、できないやつって絶対るじゃない。取り柄が何にもない奴だっているんだから。みんなに取り柄があるって、あれ嘘だぜ。そういうやつを許容する社会じゃなくなってしまっているんだな」

これは、秋葉原で無差別殺人した加藤の事件があった時に、テレビでしゃべっていた。
社会がある意味で豊かになってしまったときに、たけしの言う、夢持たないと駄目だぜという病が発症する。
でも、時期にこれはなくなくはずだ。日本の社会はそんな余裕がもうない。
それか、あまりに余裕がないからこそ、やりがいとかをねつ造して錯覚させてる(社会も、自分自身も)可能性もある。

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