森博嗣は天才

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時々、本を読んでいて、なぜこの人は、こんなに頭がいいんだろう?とおもってしまう人がいる。私にとって、その中の一人が写真の中の人、森博嗣さんである。森さんの言うことは、たいてい身もふたもない、だからこそ安全。そういう場合が多い。いかにも理系らしく、理路整然としている。それを容赦ないと感じる人もいるだろう。だけど、私はこういうタイプの人が好きである。アドバイスや意見に『温度』を持たせることをしない、たいていこういう人は嫌われるのだが、森さんはたぶん好かれている。こういうのは珍しい。理路整然としているのに好かれる。こういうタイプでほかに思いつのは、養老孟司さんくらいだ。

今回は、議論の余地しかないというフォトエッセイ集を読んだ。フォトエッセイなんてものは、たいてい一度読んだらもうおしまいなものが多い。しかしこれは違う。何度読んでも新たな発見があるだろう。それほどまでに、森博嗣という人の思考は果てしない。私が考えていることなんか、とっくに考えているんだろうなぁ、と思ってしまう。なぜ、こうした発想ができるのか、それを自問するだけでも意義のある本であろう。

心に残った個所をいくつか引用しておこう。どうせ備忘録なんだから。

『正解とは、真実とは、本人が最も納得できる仮説に過ぎない』
『なにがどうわからないのかがわかっていれば、わかっていることと限りなく近い』
『基本的に説明しようと思ったときに、説明の大半は終わっている。あとは言葉を並べるだけだ。多くの対象は、説明しようと思うところまで達しない。』

このへんは、理系ならでは、と思わせられる。物事に正解なんてものはなく、なおかつ世の中は謎に満ち溢れている。

『あなたは、言葉を駆使して自分の歩いてきた道を舗装しているだけ。後ろ向きに掃除をしているだけなのよ。』
これが一番しびれた。たしかに、そうだ。人は、通った学校、付き合った友人、過ごした場所など、過去を振り返ってあれこれ言う。しかしそれは皆、結果論だ。その時は常に後ろ向きで歩くしか、ない。ただある程度の予測はできる。人の話を聞いたり、本を読んだりして。それしかできないのも、また人間なのだ、と森さんは言っている。これはしびれたなぁ。スパッと切れるナイフのような言葉だ。

『先生が、私たちに教えてくださったのは「素直に」「慌てるな」「怖がるな」の3つでした。それを忘れず生きていこうと思います。』
最も難しいことは、何事にもずっと素直でい続けることだ。どうしたらそれができるか、と自問するだけでも随分違う。
最後に、もう一つ。
『"人生経験の豊かな人"というのは、あり得ない。だれであれ、経験できるのは自分の人生だけである。』
このあたりも森博嗣ならでは、と思わせられる。私たちはついつい"あるべき人生の形"みたいなのをモデル化してしまい、そうした経験のある人(留学したことがある、どん底から這い上がって社長になった等)を人生経験が豊かだという。しかし、考えてみれば当たり前だが、自分の人生はその人限りの限定品であり、だれとも比較することはできない。そこに誇りをもって生きていっていいんじゃないか、と教えられる。

まだまだ引用したい部分があるけど、それはまた今度。
ぎ
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写真は、江口寿史の作品です。こういうコにあこがれちゃいます笑

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